By Michael Baxter -2025年10月16日（Real Raw Newsより翻訳）
シカゴの不法移民がICEとの接触を必死に避けようとして見つけた奇妙な味方は、市販の“ICE風”装備であった。星条旗パッチと「POLICE. ICE」の面ファスナータグが付いたタクティカルベスト、もっともらしいバッジや「ICE」ロゴのキャップ、サングラスやガスマスク、フェイスカバー、さらには遠目にはICEの非致死性ペッパーボールライフルと見分けがつかないエアソフトガン――。アマゾンやETSYで買い、あるいは多世代が過密に住むネズミの出る家賃規制アパートで縫製を請け負う不法移民の仕立て屋が作った代物である。だが先週、こうしたICEコスプレの不法移民が次々と摘発され始めた。
ICEツァーのトム・ホーマンの連絡役トーマス・ピアマンによれば、国土安全保障省が「好ましからざる者」一掃の取り組みを加速した9月初旬ごろから、シカゴのピルソンとリトル・ビレッジ地区で不法移民がICE職員を装い始めたという。ネタ元はZ世代のYouTubeいたずら動画で、偽のICEジャケットを買ってホームデポや日雇いのたまり場で不法移民を脅すものだった、とピアマンは述べた。ある動画では、いたずら者が不法移民の手を結束バンドで盗難車のハンドルに固定し、「アリゲーター・アルカトラズ」に連れていくと告げた。ICEが取り締まりを強化して以降、少なくとも十数人のYouTuberやティックトッカーが“警察になりすまし”で逮捕されている。
「連中は立場を逆転できる、我々になりすませると思ったのだ。そして実際に何人かはやった。だが長くは続かなかった」とピアマンは言った。
彼は、10月3日に本物そっくりのICE装備を着た不法移民2人が、ダウンタウンのボデガ急襲に大胆にも紛れ込んで“腕試し”をしたことを認めた。正体に気づかなかった本物の6人の職員（身元秘匿のため全員マスク着用）は、その店の経営者が敵対ギャングの構成員だったため、結果的に「援護」を受けた形になった。
2日後にも似た事案が起きた。令状を携行したICE職員3人が、過去に3度国外退去となったメキシコ人ディエゴ・アグアヨを徒歩で追跡中、4人目の覆面の「職員」が合流してアグアヨをタックルで取り押さえた。英語がほとんど話せないその謎の4人目にも、ICE職員は違和感を覚えず、互いに健闘をたたえてハイタッチを交わした。
ピアマンは言う。「珍事ではない。最近採用したICE職員には、米国生まれや帰化のヒスパニックが多い。二言語話者は当然必要だ。不法移民犯罪者はそれを承知で悪用した。同じ構図だ。その人物は姿を消し、誰だか分からなかった」。
しかし10月12日、リンカーン・パークでICEが一斉検挙を行っていたところ、ガスマスクを着けた“別の4人の職員”が現れ、周辺の不法移民はすでに拘束済みだと主張した。だが周囲では何十人もの英語を話さない者と子どもたちが遊んでいた。4人のうち英語をそこそこ話せたのは1人だけで、ガスマスク越しにかすれ声で「ノー、ノー、ノー、ここに不法移民はいない。俺たちはICEだ、Nosotros federales como tú（君らと同じ連邦だ）」と英語とスペイン語を取り違えながら言い、「もう捕まえた、You go home, Ya los atrapamos」と告げた。
本物の職員は不審を覚え、偽者の装備を精査した結果、バッジと銃がプラスチック製であると見抜いた。
「決定的だった。我々は状況を把握し、Broadviewの収容センターで偽者を身柄拘束した。臆病者の常で、取り調べであっさり白状した」とピアマンは述べた。
ICEは、シカゴの不法移民約500人が模造装備と偽造身分証を入手していたこと、そして市内最悪の治安とされるウェスト・ガーフィールド・パークに住む不法移民の女4人が、偽制服用の刺繍タグを請け負っていたことを突き止めた。
10月14日、ICEは彼女らのアパートを急襲して逮捕、証拠を押収した。怯えた女たちは、ICE職員を装っていたメキシコ人とベネズエラ人75人の氏名と居所を供述したという。その夜、ICEはワシントン・パーク、サウス・ショア、ウェスト・イングルウッド、グランド・クロッシング、ピルソン、リトル・ビレッジの各地区で家宅捜索を行い、長年にわたり検挙を免れてきた既知の不法移民――中には強姦犯もいた――を逮捕した。
「まだ全員は捕まえていない。だが居場所の見当は付いている。ことわざどおり、逃げることはできても隠れきることはできない。全員、必ず捕まえる」とピアマンは述べた。
