トランプ大統領は9月30日、Truth Socialで、CNNなどへのホワイトハウス取材制限と、ジャック・スミス元特別検察官の捜査を比較するJust The Newsの記事を共有した。
共有したのは、報道機関への対応をめぐって主要メディアに「二重基準」があると論じる記事。投稿には記事の見出しとリンクが掲載されており、それとは別の長文コメントは添えられていない。
■ 共有された記事の内容
Just The Newsの記事は、CNNなどのホワイトハウス取材制限には報道機関が強く反発した一方、スミス氏の捜査で記者と政府関係者の通信が取得された問題への扱いは十分ではない、と批判している。
記事によると、取得された記録は、国立公文書館が提出したホワイトハウスの電話87台に関連する資料に由来し、記者と政府関係者とのやり取りが含まれていた。
ただし、「二重基準がある」「記者を監視した」という表現は、同記事の評価である。本記事では、その評価と公表資料で確認できる内容を分けて紹介する。
■ グラスリー委員長側が公表した内容
米上院司法委員会のチャック・グラスリー委員長側は9月29日、内部告発者からの情報に基づき、スミス氏の捜査で十数の報道機関に所属する約50人の記者の通信が取得されたと発表した。政府関係者とのメッセージも含まれていたとしている。
対象として挙げられた報道機関には、CNN、Fox News、AP通信、ロイター、ウォール・ストリート・ジャーナル、ワシントン・ポストなどがある。
この発表は委員長側による説明であり、それだけで記者自身が捜査対象だったことや、違法な盗聴が行われたことまで確認できるものではない。
■ スミス氏の説明――通話履歴と通信内容は区別が必要
同日の公聴会で、スミス氏は議員の通話履歴の取得について説明した。上院司法委員会の民主党側が公表した記録によると、取得した通話履歴は会話やメッセージの内容を含まない記録であり、取得前に司法省の担当部門へ相談したと述べた。
また、議員に対する盗聴を行ったかとの質問には、行っていないと回答した。
ただし、この説明は議員の通話履歴に関するものだ。記者との通信が含まれた公文書館資料とは取得経路や記録の種類が異なるため、「取得された資料はすべて通信内容を含まない」とまとめることも適切ではない。
■ CNNへの取材制限とは何か
CNN自身の報道によると、トランプ政権はCNN、MS NOW、Politicoのホワイトハウスへの立ち入りを制限した。CNNは、複数の報道機関を代表して大統領の映像を撮影・提供する「代表取材」の担当業務も果たせなくなった。
ABC、CBS、CNN、Fox News、NBCは共同声明で反対し、ほかの局がCNNの担当を代替しない対応を取った。CNNなど3社は取材制限を争う訴訟も起こしているという。
これはCNNの放送そのものを禁止したという意味ではなく、ホワイトハウスへのアクセスと代表取材への参加をめぐる問題である。
■ 何が争点なのか
今回共有された記事は、取材へのアクセス制限と、捜査による記録取得への報道姿勢を比較している。
記録取得が適法だったかという問題と、メディアの扱いに偏りがあるかという問題は、それぞれ分けて検討する必要がある。今回確認した資料だけで、スミス氏による違法な記者監視や、報道全体の「二重基準」が確定したと結論づけることはできない。
トランプ氏の投稿は、こうした問題を批判的に扱う記事を、自身のアカウントで紹介したものとして位置づけられる。
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