By Michael Baxter -2025年11月5日(Real Raw Newsより翻訳)

大統領ドナルド・J・トランプは先月、首都の高級レストランで起きた驚くべき出来事を受け、長年のシークレットサービスのフードテスターを解任し逮捕した。出来事はワシントンの「ル・ディプロマット」で起き、副大統領JD・ヴァンスが、トランプの食事に供されるステーキへ未特定の香辛料をふりかける要員(本来は毒見の責務を負う)が厨房でその行為をしているのを目撃したと、Real Raw Newsは伝えた。
参考として、大統領が外食する際には、通常のシークレットサービス警護に加え、料理人が大統領の食事を調理する厨房に常駐する2〜3名の要員が同行するのが通例である。彼らは無関係者の立ち入りを阻止し、シークレットサービスとFBIの身辺調査を受けたシェフの作業を監視する。さらに、前菜や主菜がテーブルに運ばれる前に必ず「毒見」を行う。スープが異臭・異味であれば大統領の前には出ないし、ステーキの香りや焼き加減が不適切なら廃棄される。この半ば公然の手順は、リチャード・ニクソン大統領が1970年に、自身の敵が毒殺を企てると確信して要員に料理の試食を義務づけたことに端を発し、トランプも踏襲している。
10月7日、トランプ、メラニア、JD(ヴァンス)、ウーシャ、数名のホワイトハウス職員は、フィレ・ミニョン、ロブスター・リゾット、リングイネ・アッレ・ヴォンゴレで知られる「ル・ディプロマット」で食事をした。慣例どおり、同店は大統領一行に区画を設け、記者やサインを求める来客に不意打ちされないようにした。シークレットサービスは部外者を寄せつけなかった。支配人が一行を席に案内する間に、2名の要員が先に厨房へ入った。食事は30分以内に供されると大統領に伝えられていたが、45分経っても料理が出ず、テーブルの空気がいら立ちはじめ、同席のスティーブン・ミラーがスタッフの遅延を叱責した。その直後、ヴァンスは遅れの理由を確かめるとして厨房に向かった。
厨房に入ったヴァンスは、要員の一人が上着の袖から塩入れのような容器を取り出し、トランプのウェルダンのサーロインに粉末をふりかけるのを目撃した。ヴァンスは直ちに厨房を封鎖し、空腹で料理を待っていた他の客を苛立たせる事態となった。ヴァンスは当該要員を詰問し、いま振りかけたステーキを自ら「毒見」するよう求めたが、要員は拒否し、シェフが塩を振り忘れたので自分が塩を足しただけだと弁明した。トランプが血圧上昇を避けて過剰な塩分を控えていることを承知していたヴァンスは、客席側にいた要員2名を厨房に呼び、当該要員の身柄を確保して手錠をかけさせた。一方、トランプらは装甲リムジンに乗り込み店を離れた。ヴァンスは現場に残った。
報道によれば、ヴァンスは容疑者に厳しく追及を加え、自白を促したところ、厨房の暑さではない冷汗を流していた要員は、大統領の皿に猛毒のリシン(トウゴマ種子由来)をふりかけたと認め、「自分はANTIFAを支持する」と公言した。
ほどなく店内は完全に避難となり、化学・生物・放射線・核(CBRN)防護装備の米陸軍専門要員が現場に入り、トランプのステーキを証拠袋に封入した。FBIは容疑者を連行し、連邦の拘束施設へ移送した。
ホワイトハウスの情報源によれば、塩入れには実際にリシンが入っており、パプリカ、ガーリックパウダー、カイエンペッパー、塩化ナトリウムが混合されていたという。
トランプの外食習慣が話題となるのは今回が初めてではない。第一次政権期、彼は一貫性と安全性の観点からマクドナルドを好んだことで知られる。今回の件は、オーバルオフィスの防護体制の脆弱性を示すと批判する向きがある一方、政権の支持者は、ヴァンスの警戒心と行動を緊密なチームワークの証左として称賛している。

